ボディーサイズの拡大や、過給器付きV6エンジンの搭載などにより、従来モデルの「エキシージ カップ260」より重量が増してしまったが、それでも車重は1.2トン以下に収められている。
V6エンジンの搭載や走行安定性の確保、路上での存在感などのために、全長、全幅を「エリーゼ」よりひとまわり拡大。車高だけは両者共通で1130mmとなる。
エンジンはトヨタ製の3.5リッターV6をスーパーチャージャーで加給したもの。基本的には「ロータス・エヴォーラS」と同じだ。
フロントリップスポイラーやリアディフューザー、リアウイングなどのエアロパーツを標準で採用。最高速(274km/h)での走行時には、フロントに60kg、リアに90kgのダウンフォースがかかる。
従来モデル同様、車内空間の仕立てはシンプルそのもの。屋根が低いうえにサイドシルが極太なので、乗降にはコツが必要だ。
写真の通り、トランクルームの広さは必要最低限といった感じ。同じミドシップ車でも「ポルシェ・ケイマン」などは車体の前後2カ所に荷室を備えているが、「エキシージS」の場合は、エンジンルーム後方のこの1カ所のみだ。
タイヤは標準の「ピレリPゼロ コルサ」に加え、「Pゼロ トロフェオ」も用意。オプションのレースパックの足まわりは、ドライ重視のトロフェオに合わせてチューニングしたものとなっている。
ブレーキは前後とも同じ仕様で、APレーシング製の4ピストンアルミ合金キャリパーに、332mmのベンチレーテッドクロスドリルドディスクの組み合わせ。
動力性能は0-100km/h加速が4.0秒、最高速は274km/h。最新の「ポルシェ・ケイマンS」(5.0秒、283km/h)と比べると、0-100km/h加速では「エキシージS」が勝り、最高速では一歩譲る感じだ。
ステアリングはパワーアシストのないいわゆる「重ステ」。低速走行時などにハンドルの重さを感じるものの、パワーアシスト付きでは得られないダイレクトなフィーリングを味わえる。
「エキシージS」は、走行モードの切り替えが可能なDPM(ダイナミック・パフォーマンス・マネージメント)システムを全車に採用。走行モードで「オフ」を選択すると、ABS以外の姿勢制御システムを完全にカットすることができる。
(文=森 慶太/写真=荒川正幸)
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