フェラーリ360モデナ オイルリーク修理

いつもお世話になっております。

オイル・リークでフェラーリ360モデナが入庫いたしました。
早速、オイル・リークをしている部分を確認します。

アンダー・カバーを取外して、リーク箇所を確認!
オイルの色と臭いから判断して、エンジン・オイルです。
リーク箇所はクランク・リヤ・シールの様です。

リークしたオイルはアンダー・カバーまで落ちていました。
クランク・リヤ・シールからのリークはかなりの重症です。
ここまで酷いとクラッチまでオイルが廻っていないかが心配になります。

オイル・リークが始まってからどれぐらいの距離を走行されているのかを
把握していない為にクラッチの状態が気になります。

もし、オイルが廻っているとクランク・リヤ・シールだけではなく、一緒に
クラッチ・ディスク、クラッチ・カバー、フライ・ホイール、パイロット・ベアリング
レリーズ・ベアリングも一緒にニュー・パーツと交換するの必要があります。

リヤ・バンパーとチャンピオン・ガーニッシュを取外しました。
取外す時には、慎重かつ丁寧な作業を!!

  

リヤ・マフラーを取外す時に気づきましたが、ブラケット部分の熔接が
取れてしまっていました。このままほおっておくとマフラーが振動で
取れてしまう危険もあります。

熔接部分にわずかなクラックがあり、エンジンと走行の振動で
取れてしまったのでしょうか・・・?後ほど修理をする事に・・・

トランス・ミッションの全容が見えてまいりました。
取外し作業を行いながらもその他からのオイル・リークや
クーラント・リーク、各部分の状態をチェックを行いました。

取外したクランク角センサーにもオイルが付着していました。
やはりクラッチの状態が気になります。

  

トランス・ミッションの脱着が完了!ミッションのハウジング・ケースを部分を
確認するとリークしたオイルがたくさん付着していました。

  

シリンダ・ブロックの部分にもリークしたオイルが付着していました。
この状態でクラッチにオイルが付着しているかを確認する事は出来ません。

  

クラッチ・ディスクのフェーシング部分の両面とクラッチ・カバーの
プレッシャー・プレート部分、フライ・ホイール表面には幸いにもリークした
オイルの付着は見られませんでした。

  

フライ・ホイールを取外しました。リークしたオイルでクラッチ・ディスクから
のダストがシリンダ・ブロックに付着して汚れが酷くなっています。

洗浄をした後にクランク・リヤ・シールを取外しました。
クランク・シャフトと接触するリップ部分はエンジンの熱により弾力性が
無くなり、硬化をしていました。これでは、クランク・シャフトとシールとの
気密性が悪くなり、オイル・リークの原因になります。

MT車になるとクラッチ・ディスクにオイルが付着して酷い場合は
走行不能になる事も考えられます。
AT車の場合は、ドライブ・プレートとトルク・コンバーターが取付けられて
いる為にオイル・リークをして走行不能になる事は無いです。

しかし、オイル・リークにより車両火災が発生する事もあるので
要注意です!
クランク・リヤ・シールはMT車のクラッチ・オーバー・ホール作業の時に
一緒に交換をしておきたい消耗パーツの一つです。

  

クランク・シャフトのリップが当っている部分に傷などが無いかを入念に
チェックをしてニュー・パーツを組付ける事に・・・

これが、ニュー・パーツです。組付けはシールを傷める事なく丁寧に
作業を行いました。
ミッションを組付けて、外れていたマフラーのブラケット部分も修理を
して組付け作業は終了しました。

エンジンを始動させて暖気・・・オイル量をチェック・・・ミッションとクラッチの
作動状態をチェック!そしてリーク箇所を再確認をしてオイル・リークが
無い事を確認して作業は終了です。

担当 メカニック Hdeki

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