フェラーリ360モデナ 「SLOW DOWN」点灯

   

いつもお世話になっております。。。

走行中に「SLOW DOWN」が点灯したという事で360モデナが入庫いたしました。

入庫した時には「SLOW DOWN」の表示は点灯していませんでした。

前回の修理依頼では、エンジンチェックランプの点灯で入庫しました。
その時の診断では「エバポシステム」が原因でパージバルブとプラグを
交換しました。今回は何が原因なのでしょうか・・・?

セールスマンの前で「あ~ん!コレ買って~ッ!」とダダをこねてTEXA
テスターを買ってもらいました。早速診断をしていきます。

「ありがたや~ありがたや~」いつも神棚に飾ってあり毎日拝んでいます・・・

TEXAテスターを使うのは今回が初めてでこれから診断をしていくのが
楽しみです♪

メーカーと車両を選択して診断に入っていきます。

診断結果がこちらになります。「Catalyst poor performance」
まさかキャタライザー!?もしそうだとしたら修理代が高額になります。

ブルブルブルッ!キャタキャタキャタ・・・テスターでの診断結果は結果として
受け止めて、本当にキャタライザーであるかをこれから調べていきます。

何せ部品代が高額な為、安易に「コレッ!!」とは決定出来ない!!
他にも原因があるかも知れない!!

(注・・・テスターを使用して点灯させています。)

まだ、「SLOW DOWN」表示点灯の状態が確認出来ていない為、
一度ロードテストをしてみました。

車両状態を確認する為にテスターを装着して、各部の状態が解る様に
パラーメーター表示でロードテストをしました。

走行中は特に問題は無くエンジンの調子も良好でした。近くのバイパス道路を
使って、1時間近く走行をしてみましたが「SLOW DOWN」表示の点灯は
確認出来ませんでした。

しかし、パラメーター内のキャタライザー温度が気になりました。
右キャタライザー温度約600度で左キャタライザー温度が約800度あり
左右で約200度の差がありました。う~ん・・・これはおかしい・・・

エキゾーストテンプセンサーが悪くなりだしているのだろうか・・・?
それとも、テンプセンサーのユニットなのだろうか・・・?

センサーやユニットの不具合が起き「SLOW DOWN」の表示が点灯する話を聞いた事があったのでまずはセンサーから点検をする事にします。
エンジンがまだ温かい為、一晩置いてからテストしてみる事にしました。

一夜あけて・・・取外したセンサーです。これからテストをします。

冷えた状態で抵抗値を測定すると左右共に1.5Ωあり、断線なども
ありませんでした。

次に、センサーをホットガンで温めていくと抵抗値はみるみる上がって
いき、冷やしていくと抵抗値もゆっくりと下がっていきました。

左右共に抵抗値は同じ様に変化していました。
この時点でセンサーには問題なし・・・

  
  

次に、ユニットを点検したいと思います。ユニットはエンジンルーム内の
カバーを取外してフレームの所に取付けています。

正直な話、ユニットの単体での点検の仕方は解りませんが・・・
単純に左右のユニットを振り替えてキャタライザー温度に変化が出れば
ユニットが原因という事になります。

ユニットを振り替える前のアイドリング時でのキャタライザー温度を測定
しました。暖気した状態で右が約480度・・・左が約650度ありました。
この時も左右差が約200度ありました。

  

そして、左右のユニットを振り替えして一度冷やしてから再度アイドリング
状態で暖気をしてから測定をしました。

左画像が左キャタライザー、右画像が右キャタライザー温度になります。
左が650度、右が450度ありました。左右で200度の温度差!

始め診断結果に出た、キャタライザーが原因である事になりました。
ガタガタガタッ・・・キャタキャタキャタ・・・ここで診断は終了・・・

診断結果をお客様に説明して、今後どの様に修理をするのかを
決めて頂いてから作業をする事にして、一度お車を納める事になりました。

診断結果の説明をしている時にお客様との会話の中であったのが
「1××km巡行で長い距離を走ると点灯する」という言葉を聞く事が
出来ました。

預かる際には、お客様と会話をして居なかったので聞く事が出来なかった
一言でしたが今回の診断で「キャタライザーである」というヒントになりました。

この言葉で自分の中で「確か、ユニットの設定温度は1000度くらいだった
はず・・・1000度以上になるとSLOW DOWNが点灯する様になっていたと
思います。今回のロードテストでキャタライザー温度が約800度・・・お客様が使用した距離と時間を想像すると恐らくその時には1000度に達していたかもしれない・・・」あくまでも想像ですが・・・

今の現状で車を長時間使用し続けると車両火災になる事が
あるのでその旨をお客様にも説明をして納車をしました。

しかし、気になるのは「何故キャタライザーが・・・?」という点です。
まだ、他にも原因があるのだろうか・・・?

部品代が高額になる為、お客様からの修理依頼があるのを待ってから
その後の経過をブログにてアップさせて頂きます・・・

今回TEXAテスターを使用して、早くポイントを絞る事が出来たので良かった
です。

今までテスターが無く、丸腰で戦車に立ち向かう様なものでしたが、
これからは戦車に立ち向かう為の武器が出来ました!

この他にも色々な機能が備わっているのでどんどん活用して「俺とTEXAテスター」と題してブログアップが出来る様にして頑張りたいと思います。(笑)

メカニック  Hideki

 

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